こんにちは、あっきー(@hitokara_akkie)です。
コールセンターで20年以上働いて、うたも歌うので声をよく使います。
しかし10年程前、コールセンターでオペレーターだった私に突如おそった「声が出ない・・」という、悪夢のような症状に出会ったことと、その後克服したことをお伝えします。
あれ?急に「第一声」がうまく言えなくなった・・・
それは、本当に急でした。
いつも通りコールセンターに出勤し、9:00から電話を取り始めます。
その頃 1時間に10本以上 注文の電話を受けていた私は、今思えば過度なストレス状態にあったんだと思います。
午前の業務が終わり、昼休憩のあと、午後も電話を取り続けます。
クレームもたくさん受けます。
夕方、それは突然やってきました。
「お電話ありがとうございます。〇〇ショッピングです。ご注文でよろしいでしょうか?」
これがいつもの第一声。
しかし、
実際には
「お、、おお、、、、おでわ・・・・ありざとざいます・・」
と、今まで何百回、何千回と発してきた言い慣れた言葉がうまく言えないのです。。
「疲れてるんだな・・・」
その時はそう思っていました。
しかし、次の電話を取っても同じような状態。
「え・・?病気かな・・・?もともと自分は舌が長いし、ろれつが回らなくなることは今までもあったしな。疲れてるんだろう・・・。やだなぁ・・・」
なんて思っていました。
その後、またいつも通りしゃべれるようになり、その日は無事仕事を終えました。
しかし、翌日、9:00から電話を取るタイミングで、昨日のことが思い出されます。
「昨日みたいに第一声がきちんと言えないと、お客様に不信感を与えてしまう!!」
「絶対にきちんと発音しよう!」
と気構えてしまいました。
今思えば、この責任感やまじめさが裏目に出たのかもしれません。
1本目の電話「お・おおおお・・・おお・」
やってしまいました。。
自分でもショックなんです。
今まで意識せずに当たり前のように言えていたことが、急に言えなくなる。
いわゆる、どもってしまう状態。
悔しいやら悲しいやら不安やら喪失感やら・・・
いろんな感情が混じって何とも言えない悲しい気もちになりました。
でも、第一声が言えなくても、「ご注文ですね?ありがとうございます。商品番号をお願いします」など、会話が始まるとその症状がすっと消えるのです。
でも、やっぱり会話の一番初めの「1フレーズ」がスムーズに言えないのです。
帰宅し、インターネットで自分の症状を調べた結果、、、
吃音症(きつおんしょう)
これだ・・。症状が完全に一致している・・・。
正直少しほっとしたのを覚えています。
自分と同じ症状の人が他にもいる。
少し嬉しくも思いました。
ただ、明日からの事を考えると不安でした。
「一生このままなのかな?だとすれば、コールセンターの仕事はもうできないのかな?」
「転職するしかないのかな?」
「なんとか、治せないのかな?」
そう思った私は、翌日からいろんなことを試してみました。
・「お電話ありがとうございます」の、始めの「お」の口をあらかじめ準備しておいて、そのまま第一声を発してみる
・「お、お、お、おでんわ」となることが多かったので、「お、お、お、」まで言葉を発した後に、ヘッドセット(マイク)を近づけて、お客様には「お電話ありがとうございます」から聞こえるように工夫する
・第一声の前に、息を「ハッ!」と意識的に吸って、その勢いのまま「お電話ありがとうございます!」と一気に言ってみる
・「お電話」を発するタイミングで、同時に手を動かしてみる
・文字に起こした「おでんわ ありがとうございます」を凝視しながら、音読する感覚で第一声を言ってみる
・「えー」(声にならないくらい小さな声)と言った後、「お電話・・」と言ってみる
とにかく、色々試しました。
そうしたところ、自分では
- ・第一声の前に「ハッ」と意識的に大きく息を吸う方法や、
- ・「えー」(声にならないくらい小さな声)と言った後、「お電話・・」と言ってみる方法
が合っていたようで、第三者が聞いてもそれほどおかしくはない程度まで回復していたように思います。
しかし、誰もが経験したことだと思いますが、一度気になったらずっと気になってしまうものってあると思います。
寝る時に、アナログ時計の秒針の音が気になったり、電車の中で他人のしゃべる声がずっと気になったり・・・・。
神経質・・・・
そう、私は今思えば神経質でした。
今でこそ(40歳前にして)、「なんとかなるさ精神」全開で、
次の職場を決めずに退職しようとしているし(それはそれでどうかと思うけれど。。笑)、
お金はなければないで、「贅沢しなければいい。幸いにも結婚していないしなぁ・・。」
などとひょうひょうと生きていますが、当時は今思ってもまじめでした。
- オペレーターで頑張って、SVに認められよう!!
- 若いうちは、苦労しておけと親に言われたし!
などと、常にストレスを抱えていたように思います。
そういった自分の思いや神経質なところが、結果的に吃音という症状に現れたんだと思います。
少しずつ克服したこと
焦れば焦るほど、よくない吃音症。
意識したくはない。でも、やっぱり意識してしまう。
↓
意識すると第一声がどもってしまう。
この負のループに陥って数か月。
あるとき、社内でいいことがありました。
(バレンタインでチョコをもらったのか、好きな人からデートに誘われたのか、全然覚えていませんが 笑)
ニコニコ、笑っていた時間が多かったように思います。
その日、いつもの症状が出ませんでした。
あれ?治ったかも!
その日は家に帰るまで嬉しかったように記憶しています。
そうです、やっぱり心の問題だったのです。
(少なくとも私には。)
考えてみれば当たり前ですよね。
病は気からとはよく言ったものです。
その日から、稚拙な考えですが「前向きに考えよう」と思うようにしました。
もちろん、いきなり性格が変わるはずもありません。
少しずつ、すこしずつ・・・
- 下を見ずに前を見て歩こう!
- コンビニで店員さんに「ありがとう」・・・というのは恥ずかしいので「会釈をして釣銭を受け取ろう!」
- 上司に叱られても、「昔は赤ちゃんでかわいかった時期があったんだろうな。この人にも親がいて、いつまで経ってもかわいい子供なんだろうな」と俯瞰で見たり
- 思い通りにいかない事があっても「失敗したことは事実だけど、過去は変えられない!今が一番自分の人生で若い時なんだから、これから良くしていこう」
・・・などと考えるようになりました。
そうして10年以上たった今、
吃音はたまに出ます笑
出ますが、あまり気にしないようにしています。
出る時の「あ、これは出るかも」という感覚が分かるようになったので、事前に処置できるスキルも身につきました。笑
なんとかごまかせるんです。
幸いにも私は、そんなスキルが身についたので、昔ほどやっちゃったな・・・という症状はでません。
しかし、10年前の私のように、「今」悩んでいる人がいれば、私のとった行動や克服方法を試してみてほしいですし、何かの役にたてたら最高です。
まとめ
一人で悩む人もいるでしょう。
私もそうでした。
つらいですよね。。
でも、自分を責めてほしくないです。
自分は何か欠陥がある人間だ・・・とか、責めないでください。
責めても変わらないしね笑
今はインターネットがあります。
「吃音」で検索すると、病院や専門家のページも出てきます。
何日も悩むより、誰かに相談したり、同じ症状のコミュニティなどに入ったり、現状を少しでも変えてみてはいかがでしょうか?
私の同じように悩んでいる方、「克服したけれど自分と同じ悩みがある人ってやっぱりいるんだ。」と思った方に、少しでもほっとしてもらえて、少しでも役に立つことが発信できていれば、嬉しいです。